天才だなぁ

私の知る限り、佐藤亜紀さんは、デビューしてから現在までずーっと素晴らしい。

特に『天使』がマイベストオブ佐藤亜紀です。
「堕天使たちのサイキック・ウォーズ」って帯は通俗的ですが、じつは作中には、ただのひとことも、「サイキック」とも「超能力」とも出てきません。戦時下ウィーンで暗躍する特殊な能力を持つ人達の戦いが、息苦しいほど緻密な筆致で描かれています。

スカスカじゃなくて、骨のあるエンターテイメントを読みたいと思っている方にも、読んで気持ちの良い日本語で書かれているエンターテイメントを読みたい方にもほんとにオススメ。(実際描いてるかはともかく)言ってみれば、服の皺まで描く作風なわけで、「キーッ、服の皺すてき~!!」と思える人には、ほんとにたまらん作家です。偏執的。

あぁ、なんでもっと売れっ子にならないんだろう(失礼)と思っていたら、最新作『ミノタウロス』で吉川英治文学新人賞を受賞(してたんですね、知らなかった)。ブレイクするかしら。(調べておりませんが、佐藤亜紀さんは吉川英治文学新人賞を受賞したことについて、何か皮肉を言ったり、毒舌吐いて問題になったりしなかったのかなぁ。すごく言いそうなんだけど)

先日時間ができたので、その『ミノタウロス』(佐藤亜紀/講談社)を取り寄せました。
最初の一行から夢中。

─ぼくは時々、地主に成り上がる瞬間に親父が感じた眩暈を想像してみる(本文冒頭より引用)

なんか、私はわなわなして、一気読みしましたよ。面白かった。『天使』のほうが好みだし、あんな風にサイキックウォーズを書いちゃった『天使』のほうが離れ業だったと思うけど、とにかく一気読み。
ついでに、友人に返して以来、古書価が高くて入手できなかった『掠奪美術館』(佐藤亜紀)を勢いで注文。何年かぶりに目にしてちょっと泣けました。

ミノタウロス掠奪美術館

▼関連項目→天使つながり(うちのサイトへ)

取り寄せた本好きな本

  •   18, 2009 05:41