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一緒に謝ってくれる男。

 好きなエピソードに、共通性があることに気付きました。
 『三月革命』(川原泉)のラストシーンで、早紀子ちゃんが浩生に「これは連帯責任だからね、だから…いっしょに謝りに行ってね~」と言うところ。
 中村うさぎさんのエッセイの中で、欲しくもないのに何十万もするストールを買って帰ってきた中村さんに、旦那さんが、「いっしょに謝ってあげるから返品しなさいよ」と、言ってくれるところ。
 それから、昨日読んだ『アイ・ラヴ・ユー、OK』(島村洋子)の中で、

─「どつかれてもちゃんと謝るんやぞ。なんやったら俺が一緒に行ったろか?」


 と、別れた夫が言ってくれるところ(注:小説)。
 なんか知らんけど、めっちゃジーンとします。

 しますよね?
 親はたいてい、子どもの頃から「ちゃんと謝ってきなさい」としか言ってくれないもんだし、大人になったら、一人できちんと謝るのが大人の証明みたいなもんだし、そこで謝りたくないのなら、後ろ指さされるとか、ストールは我慢して持っておくとか、家には帰らないとかの代償を払う、それが大人。
 一緒に謝ってくれる男というのは、一歩踏み込んで、肯定して、守ってくれてる気がしますからね。頼もしい。安心するもん。多分、私だけじゃなく、女は弱いんじゃないかなぁ、その言葉に。
いいよねー?

 好みのタイプは、「一緒に謝ってくれる男」って今度から言おうと、思いました。
 ま、そんなにやんちゃじゃないので、言うほど謝る機会はないんですけど(笑)。
 因みに『アイ・ラヴ・ユー、OK』は、『あんたのバラード 光文社文庫』(島村洋子)に収録されています。短篇。
 夫と生後八ヶ月の息子を残して失踪したナツキが、正式に離婚届を渡すために三年ぶりに夫を訪ねると、家の中からは女が出てくる。それはナツキの友人で、夫との子どもを妊娠中。意外にもナツキは夫にも彼女にも責められもしない。「自分も結婚したくなったから、離婚届持ってきたんかー?」と、彼らはナツキが幸せで居ると思っている…。
 ナツキは幸せなふりをして去ろうとするんだけど、帰り道、夫が送ってくれる。なんとなく、夫は薄々分かっているんじゃないかと、ナツキは思う。彼は昔からすべてお見通しだったから。夫は、「実家に一度は帰るように」とナツキに言う。
 その言葉が、「どつかれてもちゃんと謝るんやぞ。なんやったら俺が一緒に行ったろか?」。

 巧い。
 こういうことやらせると、ほんとに巧いです。島村洋子さん。十八番。
 歌をテーマにした短篇8つ。以前話題にした『もう一度、聴かせて 双葉文庫』はエッセイ集でしたが、これは小説集。

 例えドラマチックな設定でも、ダメな人とフツーの人しか出てこない、要するに「みんなの恋の墓場」みたいな小説集で、恋愛の試合巧者らしい島村洋子さんが、こちらが思うより半歩先で、予想外の手綱捌きを見せてくれるところが魅力です。

ちょっと言いたい本

  •   08, 2009 01:23
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